漢方としての紫蘇
紫蘇は中国から伝わったとされています。漢方では「蘇葉(そよう)」と呼び、免疫力を上げ発汗を促すことで冷えをとり、またアレルギーなどにも有効とされています。
薬膳に於いて紫蘇は、体を温める温性の食材と位置付けられています。ちなみに薬膳とは中医学の理論に基づいた、季節、体質、体調に合わせた健康維持を目的とした食事の仕方です。
紫蘇はどんな食材?
紫蘇には青じそと赤じそがあります。主に青じそは、薬味や天ぷらなどに利用されることが多い。赤じそは梅干しの色付けやしそジュースなどに使われています。スーパーでは大葉としてよく見かけます。
- 国産の40%を占める大葉が愛知県で栽培されています。
- 旬は5〜8月、ハウス栽培で一年中流通しています。
- βカロチンやビタミン群が多く含まれています。
- 不溶性の食物繊維が豊富に含まれています。
- 大葉の香り成分ぺリルアルデヒドは食欲増進や抗炎症作用があると言われています。
紫蘇が体を温めるといわれる所以
ビタミンCの効果
紫蘇に含まれるビタミンCは血液のもとになる鉄分の吸収を高めることで、酸素の運搬・貯蔵を助けます。また、ビタミンCは血管を丈夫にするコラーゲンの生成を促します。血管が丈夫になるということは、血液の運搬力を上げることになります。その結果、血流が促進され体温上昇につながると言えます。
食物繊維の効果
大葉には不溶性食物繊を多く含まれることから、便のかさを増し、排便を促進させ腸内環境を整えます。便秘が続くと腸壁が圧迫され腸の血流が悪くなり、そのことで便秘と冷えの悪循環を生む恐れもあります。
ついでに水溶性食物繊維は腸内細菌の餌となって善玉菌を増やします。また、血糖値の急な上昇を抑制する働きもあります。腸内環境を良好に維持するためには水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよくとることが求められます。
ビタミンEの効果
紫蘇に含まれるビタミンEは、末梢血管の血行を改善する働きがあることから、血行を促進し体を温めます。末端冷え性の方は注目すべきビタミンです。
紫蘇を食べよう!
もっと紫蘇の効能
- 香り成分ぺリルアルデヒドは腸内環境の改善、食欲の増進、胃もたれ解消の効果。
- 鉄分も含まれているので貧血予防の効果があります。
- 抗菌・防腐作用、抗酸化作用がある。
- 野菜の中でもトップクラスのβカロチンが含まれている。
- ビタミンBが口内炎や肌荒れの改善の効果があります。
- ビタミンKがカルシウムに働きかけ、骨粗鬆症予防を助けます。
いろいろなお料理に
紫蘇は薬味や刺身のつまとして食卓に並ぶことが多いです。パスタや天ぷら、豆腐や卵焼きなどいろいろな食材とあわせることで、ワンランク上の料理に引き上げます。
大葉味噌や大葉の塩漬け、大場の醤油漬けなどの常備菜にも力を発揮します。使い切れなかった紫蘇は、サラダに入れてしまえば簡単に大量消費できます。アクセントにもなって、おすすめの使い方です。
βカロチンをはじめ、ビタミンKなど各種ビタミン、鉄、カリウムなどを含有した非常に栄養価の高い野菜です。普段から率先して食べることをおすすめします。
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