水の飲みすぎにご注意

1日2ℓといいますが・・・

 体の80%を占めるのは水分。その中で、最も多くの水を蓄えているのは筋肉の細胞です。水は骨にも含まれていて、まさに体の主成分といえます。体液中にはナトリウムやカリウムなどの各種ミネラル、タンパク質、ブドウ糖、アミノ酸など、生命維持に欠かせない成分が含まれています。そして酸素や栄養素は、血液によって全身へ運ばれています。

1日にでる汗の量は凡そ500㎖と言われ、呼吸によって蒸発する水分だけでも500㎖にもなるそうです。そして、尿や便として1500㎖の水分が排泄されます。一日に身体から約2500㎖の水が、失われているという計算になります。そこでこまめな水分補給が求められるのですが、もし水分を摂取する量よりも、水分の排出が少なく体に水が滞ると、思いもよらない弊害を引き起こすことになります。

目次

水分の摂りすぎがもたらす弊害

  • 栄養素の燃焼を阻害するため、糖分や中性脂肪などの消費を妨げます。
  • 内臓を冷やすことで代謝が悪くなり、免疫機能を低下させます。
  • 体を冷やし、血行不良の原因になります。
  • 燃えきらなかった老廃物が残留し、血栓を誘発します。
  • 胃酸の濃度を薄め、悪い菌を体内に取り込みやすくさせます。
  • 腸が冷えることで消化酵素の働きが衰え、便秘や下痢の原因になります。

夏冷えの原因は「水毒」かも

 東洋医学では気候の特徴を「風・寒・暑・湿・燥・火」6つで表し、人はこの気候変化の影響を受けていると考えています。この六つの季節にそれぞれの邪気が潜んでいて「風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪(熱邪)」これら六つの邪気を六淫(りくいん)などと呼び、この六淫に対して適応力の限界を超えると、体調不良を引き起こすと言われています。

ここでいう「湿邪」は体の各所に、水が滞ることで起こる症状のことを指し、また「水毒(水滞)」と呼ばれています。よく「水太り」などといいますが、まさにこの状態のことです。体に必要以上の水分を摂ることで、うまく代謝できなくなります。水毒は体内に水分が滞ることで、様々な体調不良を引き起こします。温活においても注意したいところです。

また現代医学では水分の多量摂取による、尿の処理能力の低下で「希釈性低ナトリウム血症」の原因なると言われています。「希釈性低ナトリウム血症」になると血液中のナトリウムが減少し、電解質のバランスを崩すことで、様々な体調不調が現れることになります。

水毒による症状

  • 身体のむくみ、冷えの症状
  • 胃もたれ、食欲不振、吐き気
  • 頭痛、頭重感、めまい
  • 倦怠感、立ち眩み、息切れ
  • 下痢、頻尿
  • 口内炎、口角炎ができる

もしかしたら水毒?

水毒のチェックポイント

  • 身体かむくみやすい
  • お腹にぽちゃぽちゃと水が溜まっている感じがする
  • のどが渇きやすい
  • 汗をかきやすい
  • 水を飲んでいる割に尿が少ない
  • 寝起きに身体がこわばる
  • 舌がむくむことで舌にギザギザの歯形がつくている

水毒症が疑われるときの対処法

熱中症予防にはこまめな水分補給は欠かせません。しかし、過度な水分摂取は水毒を招く恐れも。水毒の傾向が見られる場合は、身体に滞った過剰な水分を循環させることが必要です。

水毒予防のポイント

  • 適度に体を動かしましょう。筋肉のポンプ作用で、血液を循環させ、水分の滞りを防ぎます。
  • 一度に多くの水を摂らずに、こまめな水分補給を心がけましょう。
  • 夏でもお風呂につかることで、血流を良くして滞水を解消します。
  • 水毒は免疫力も下げます、暴飲暴食は避けましょう。
  • 油はからだに水分をためやすいので、摂りすぎに注意しましょう。
  • 豆類やイモ類、ナッツ、海藻類のような余分な水を排出し且つ体を冷やさない食べ物を食べる。
  • 体は睡眠中に水分を蓄えようとするので、就寝前は水分を摂りすぎないようにする。

活動に見合った水分補給を

 1日に摂る水の量は2000㎖ともいわれています。しかしお年寄りなど、比較的運動量が少ない生活をしている人であれば、飲む水の量は1日1200㎖程度で賄えるそうです。

もちろん肉体労働や外回りのように運動量が多く、汗を多くかく人になれば、より多く水分をとる必要がります。

一般的な食事で味噌汁やスープを含んだ、1日3食の食事から得られる水分量は1㎖前後と言われています。また、体内ではエネルギー燃焼時に発生する、代謝水と呼ばれる水が300㎖ほどつくられます。

その水分を合算すると1300㎖になります。一般的な生活で排出される水分の量は2500㎖前後ですので、そこから充当された1300㎖を差し引いた、1200㎖程度の水を摂取すれば、通常の活動であれば十分な量と考えられます。

ただし、利尿作用のあるお茶やコーヒーをとる場合は、より水分が排泄されるので、余分に水分を摂る必要はあります。

アルコール飲料はアルコール分解の際に同量の水が消費されるとも言われているので、それに見合った水を摂るようにすることが望ましいです。もちろん脱水症などの予防に水分補給は欠かせません。

しかし、がぶがぶと水分を摂りす過ぎることは、思わぬ弊害をもたらす可能性があります。運動量や飲食するものに見合った水分補給を心がけましょう。

夏場でも油断は禁物

 冷え性の人にとって暖かい季節は、ほっとできるつかの間のひと時です。しかしエアコンの使い過ぎや、水分の摂りすぎは、思わぬ冷えを招く恐れがあります。温活をするうえで、冷え体質を改善できるチャンスを無駄にするのは勿体ないことです。胃腸の働きの低下は、更に胃腸に水を溜まりやすくさせ、冷えの悪循環を助長させます。夏場でも体を冷やしてしまう、ちょっとした落とし穴に注意しましょう。

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