血流の悪循環
血液は約55%が血漿(けっしょう)、約45%が血球で構成されています。30兆とも、60兆ともいわれる細胞に、栄養素や酸素、ホルモンを各臓器に運ぶ役目を担っています。それから二酸化炭素や老廃物を回収して、腎臓でろ過されます。
血液は運動不足やストレス、偏った食事、喫煙などの乱れた生活習慣の蓄積で、血行不良をおこします。また冷え性や肩こり、むくみ、食欲不振や便秘、不眠症など、多くの不調をを引き起こします。そして、その弊害が、更なる血行不良をもたらすといった悪循環が生まれます。
怖い血液の汚れ
発疹や炎症は漢方では瘀血(おけつ)と呼ばれる血液が停滞している状態とされています。著書「『体を温める』と病気は必ず治る」の著者で医学博士の石原結實院長曰く、炎症は血液をきれいにするために熱を上げることで、血液中の汚れを燃やす自浄作用であると著書の中で表現されています。歯槽膿漏による出血なども、汚れた血液を体の外へ出そうとする浄化作用と考えられます。
度重なる不摂生や不規則な生活、糖分や脂質の摂りすぎといった偏った食生活は、血液ドロドロの状態にさせる要因の一つです。また、特に冷たい物の飲食や水分の取りすぎは、体を冷やし血流を悪化させ、カロリーの燃焼も低下させます。そうなると、血流を悪化させ、ドロドロになった血液は、血管の内側に付着しやすくなり、その結果動脈硬を引き起こす原因になります。
漢方では、体は「気」・「血」・「水」の3つ構成要素で成り立っていると考えられています。このバランスを崩すと、さまざまな問題が起きると考えられています。3つの要素を元に体質が分類されていて、「気」には・気虚・気滞、「血」には・血虚・瘀血、「水」には・陰虚・水滞と分類、説明されています。但し、これは解釈の一部で他にもまだ細かい体質の分類がされているようです。
瘀血(おけつ)は、体温が下がることで血流が悪くなり、静脈でも血液が鬱滞した状態です。血行不良、発疹、生理不順、頭痛、思考力の低下、自律神経の乱れなどを引き起こします。
体温を上げることは動脈硬化の予防にも
肺炎、膀胱炎、気管支炎、細菌感染症、がん、結核などさまざまな理由で、炎症は引き起こされます。炎症は、血液を綺麗にするための自浄作用ですから、体温を高く保つことは血液の浄化を促し、重大な疾病の予防になります。また血液を汚さないということは動脈硬化の予防にも繋がります。
適切な体温を保つためには、血流が良いことが望ましく、血流を良くするためには、血液をきれいに保つ必要があります。老廃物を燃やし血液をきれいに保つためには、当然、体温が高くある必要があります。このように血液と体温には綿密な相互関係があることから、血流を良くすることで基礎体温を上げることは、健康維持の基本になると思います。
基礎体温を上げるには
血行不良の原因を知り、それに伴うトラブルを理解した上で、自分に合った血行促進の方法を見つけることが望ましいと思います。その大前提となるのが
“運動”と“食事”
運動と食事を差し置いて血行促進は考えられません。運動不足による筋力低下は、血流の低下を招きます。また同じ姿勢を長時間続けるデスクワークによって、血流が悪くなることも、血行不良につながるので注意が必要です。日頃汗をかかない生活も水分補給を怠りがちになるので、血液をドロドロにしやすくなります。
東洋医学では医食同源といわれるように、健康維持にとってとても重要視されています。食べ物には
“体を温める食べ物”と“体を冷やす食べ物”
があると考えられ、温活にとって有効な食材として簡単な目安を知っておくと、便利かと思います。
- 寒い地域の食べ物 > 南国の食べ物
- 乾いた食べ物 > 水っぽい食べ物
- かたい食べ物 > やわらかい食べ物
- 根菜類 > 葉菜類
- 発酵食品 > 加工食品
タマネギ、ゴボウ、ニンジン、カボチャ、ショウガ、リンゴ、ミカン、鶏肉、牛肉、卵、サケ、マグロ、サバ、味噌、納豆、漬物、チーズ、紅茶などなど。飲み物は冷たい物より温かい物が良いです。
運動も食事も少しづつでいいので、続けることが大切です。運動と食事で体質をコントロールしながら、着る物、マッサージ、入浴なども取り入れて体を温め基礎体温を上げる習慣を作ることは大変コスパの良い投資になりますよ。
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