重曹とは
重曹とは化学式でNaHCO3で表される炭酸水素ナトリウムのことを言います。そして重炭酸ナトリウム、ベーキングソーダ、重炭酸ソーダ、重炭酸ナトリウム、酸性炭酸塩ナトリウムといろいろな名称で呼ばれますが、基本同じものです。
製造方法は最初に海水を電気分解して苛性ソーダを抽出します。その苛性ソーダに炭酸ガスを加え、結晶化させます。結晶化させた物を精製すると重曹ができます。またモンゴルなどで採掘される、鉱物からも天然の重曹が作られます。
重曹は18世紀にフランス人の化学者によって製法を生み出され、19世紀のアメリカで工業生産が始まりました。以来パンの膨らまし粉など食用や掃除用の洗剤などなど、医療、食品、農業、工業と幅広く使われています。
重曹はさまざまな分野に利用されている
医療用
重曹は胃酸過多の対処療法として利用されることがあります。胃液の胃酸と、炭酸水素ナトリウムの反応で発生する二酸化炭素の気泡が胃を刺激することで、胃液の分泌を促進することが知られています。それから胸焼け、消化性潰瘍、逆流性食道炎などの胃酸の中和剤として使用されてます。またメニエール症候群の点滴剤や人工透析剤などにも利用されています。
食品用
日本ではどら焼きやカルメ焼きに使われています。クッキーやパンのベーキングパウダーの代替として使われたりもします。加熱により二酸化炭素を発生するので、食材に混ぜ加熱させると、生地に空間ができてフワフワまたはサクサクの生地ができます。
筍や山菜の灰汁抜きにも使われます。肉や豆を柔らかくしたり、野菜の発色を良くする効果があります。ついでに駄菓子屋で売っている、口に入れるとシュワシュワする粉末のソーダは重曹とクエン酸に水で反応させ、炭酸を出しています。
工業用
重曹は水に溶けづらく、その粒子の研磨効果と汚れを浮き上がらせる発泡性があるため、掃除、洗濯、洗い物の洗剤としてよく利用されます。重曹のアルカリ性を利用し石鹸も作れます。そして、酸性の匂いに対する脱臭効果もあります。また消火剤として消火器にも利用されています。
農業・園芸
酸性土壌の中和や除草剤としての効果があるとされていますが、その効果と土壌汚染の懸念からさほど積極的に利用はされてはいないようです。
うどん粉病の予防効果あり、根菜類の栄養剤になります。その時も注意が必要で1000倍の濃度に薄めて利用されています。
天然重曹温泉
重曹泉の主成分が、炭酸水素ナトリウムの金属イオンをキレート(カルシウムなどの金属イオンを挟み込む働き)作用で、水質を柔らかくさせ、美肌の効果を発揮してるとされています。日本の温泉にも重曹泉(炭酸水素塩泉)が各地にあります。
- 阿寒湖温泉(北海道)
- 丸駒温泉(北海道)
- 宇奈月温泉(富山)
- 秩父川端温泉(埼玉)
- 川湯温泉(和歌山)
- 湯布院温泉(大分)
重曹風呂の効果効能
- 血行促進
- 冷え性の予防、改善
- 保温効果
- 疲労回復効果
- 新陳代謝促進
- 静菌作用
- リフレッシュ効果
重曹風呂の入り方と注意点
・1回のお風呂200リットル40グラムが目安です。
・一度桶でよく混ぜてから入れます。
注意点
・風呂釜の水が入る所の部品に銅が使われていると、重曹によって銅が痛む可能性があるので、追い焚きは控えましょう。
・重曹のアルカリが皮脂を落としすぎると肌が乾燥するので、体質に合わせて使用しましょう。
バスボムの作り方
最後に「花王のバブ」やイギリスの化粧品メーカー「LUSH」などでおなじみの入浴剤、バスボムの作り方をご紹介します。上手に作れるようになると贈り物にもよさそうですね。
材料
・重曹100g クエン酸50g
・精製水or無水エタノール適量
・精油10滴
・お好みで岩塩 ローズチップなど
・着色したければ食紅
※湿気による重曹とクエン酸の反応を防いで長持ちさせるための分散剤として片栗粉orコーンスターチ50gを入れると日持ちします。
- ボールに重曹、クエン酸【岩塩、片栗粉、食紅は好みで】を合わせて混ぜます。
- よく混ざったら霧吹きに入れた精製水を少しずつ加え湿らせていく。
- 水分が全体に回り、まとまりが出てきたらOK。
- 型に入れるか丸めるかして固定する。
- しかっり乾燥させラッピングして完成です。
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