お腹には太い血管が通っています
体温を上げるには、血流をよくすることは最も肝心なことです。寒さや強いストレスなどで緊張し、筋肉が固くなることで血行障害が起きると、全身に血液が巡りづらくなって、冷えや肩こりなどの症状を引き起こしやすくなります。心臓から押し出された血液は、太い動脈から細くなっていき、毛細血管で全身をめぐり、静脈を通って心臓に戻ってきます。
お腹には腹部大動脈(ふくぶだいどうみゃく)といって、心臓から胸部を通り、肺以外の全身へ血液を送る太い血管が通っています。太い血管ですから大量の血が通過します。その周りの筋肉が固くなると血管が圧迫されて、全体の血流が阻害されてしまいます。首やお腹には太い血管が通っているので、それらの血流が滞ると、冷えを引き起こす原因になります。特に首やお腹は冷え性対策においても重要な場所です。
お腹の指圧で速攻血行促進
押して２，３秒キープして開放
数回繰り返すだけでも、すぐに血の巡り が良くなるのがわかります。血管を圧迫して、血液が塞き止められ圧が上がり、開放すると一気に血液が流れ、血行を促進します。水道ホースをつまむと、水の勢いが増すのと同じ感じです。
お腹押しのポイント
- 空腹時におこなう
- 仰向けになってお腹の力を抜く
- ゆっくり優しく押す
冬は腎臓も冷えやすく悪循環を生みやすい
冬になるとおしっこが近くなるのは、腎臓が冷えるためです。冬に腎臓が冷えやすい原因の一つは、足や外皮側の血管が、外気の低下に伴い血管が冷やされるからです。そこを通った血液が冷やされるのことで、腎臓も冷えやすくなるということになります。
また腎臓には糸球体といって、血液を送る動脈が徐々に細くなった先にある、毛細血管の無数の集合体があります。そこでは血液をろ過して、原尿（尿の元）が作られるのですが、毛細血管には、冷えると縮みやすいという特徴があります。冷やされ縮むことで血流が悪くなり、更に冷えを呼ぶ悪循環が生まれてしまいます。そのようなことから腎臓を冷やすことは血行を悪くする原因の一つです。
自律神経が乱れ更なる冷えの悪循環を生む
呼吸、消化、血液循環、代謝、排泄、免疫機能などは、本人の自覚に関らず自律神経によって維持されています。これを恒常性と呼び、そのおかげで勝手に呼吸や心臓が止まったりしません。自律神経には交感神経と副交感神経があり、この両者のバランスで成り立っています。人は活発に活動するときは一定の緊張状態になり、交感神経が優位に傾いて血管は収縮傾向になります。逆に副交感神経が優位な時は休息状態にあり、血管は拡張し血流も良くなります。
ストレスにより自律神経のバランスを崩すと交感神経が優位に働き、アドレナリンが過剰になって極度の緊張状態から血管が収縮し、酷くなると血流障害を起こします。副交感神経優位が過剰な場合は、活動の低下により代謝が抑制されることで、筋肉の発熱量が低下し血液循環の低下を招きます。どちらにしても極端に自律神経が傾くことは、冷えの症状を引き起こす要因になります。ゆえに基礎体温を上げるために、自律神経のバランスを保つことはとても大切なことといえます。
お腹を触って腸のマッサージ
最初に地球上に誕生した生命体に脳はなく、先に消化器官を備えたと言われています。自律神経を通じて脳と腸は連携していて、腸内細菌叢がうつ病などの、精神疾患と関わっているとの研究結果もあります。例えば試験やスピーチのとき、急にお腹が痛くなったりするのも、腸と脳の相関関係によるもので、腸が第二の脳と呼ばれる所以です
自律神経の乱れは冷えの原因になります。腸と自律神経の密接な関係から、腸をマッサージすることは、自身でコントロールできない自律神経を、物理的なアプローチで調整することができる方法と言えます。
簡単腸のマッサージ
冷えに効くお腹のツボ
最後に冷えに効くお腹のツボ、関元(かんげん)と天枢(てんすう)をご紹介します。ツボにはそれぞれの特徴がありますので、体調に合わせてた押し方を選べるとよいと思います。
関元は任脈(にんみゃく)と呼ばれる、奇怪に属する前面の正中線を流れる経絡のツボです。お腹の周りの不調に効き、末端の冷えや腰の痛みを和らげます。
天枢は胃経に属し足を流れる陽経の経絡のツボです。消化不良、慢性的な下痢、便秘にきくツボ。さらにヒザや腰痛にも効果があります。消化器系や泌尿器系の機能促進に効きます。食欲を増進、胃もたれ、消化不良また慢性的な便秘や下痢にも効果があります。
血管をイメージしながら腹を指圧するも好し、腸を揉む感じでマッサージ、ピンポイントでツボもを押すのも好しです。寒くなるとお腹も壊しやすくなります、まめにお腹を触ってあげましょう。
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