睡眠と温活

睡眠の基本

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不眠は国民病

 日本人の5人に1人は睡眠に何らかの問題を抱えていると言われています。良い睡眠の基本は日中日の光を浴び、体内リズムを整え規則正しい生活をするに越したことはありませんが、生活パターンは様々です。睡眠が不足すると新陳代謝や集中力の低下のみならず、ストレスによる精神不安、アルコール依存、薬物依存のリスクが高まることで思わぬ病気を招きます。

人は日中活動し夜暗くなり眠りにつくサイクルになっています。より良い眠りにつくためには朝日を浴び、適度な運動をし、寝る数時間前に食事は済ませ、夜の入浴は熱いお湯は避けアルコールはほどほどに、就寝直前の飲酒やスマホの使用は避けるのが理想的です。

しかし、規則正しくとはなかなか難しいものです。ただ、できる限り睡眠に対して投資することは必ずハイリターンであるといって過言ではありません。良質な睡眠は冷えの天敵ともいえる自律神経の乱れを整えます。それは基礎体温を上げることを目的とした温活にとって大切ですし、また体を冷やさないことは睡眠にとっても重要なことです。

睡眠とホルモン

 睡眠に重要なビタミンD、メラトニン、セロトニンというものがキーワードとして挙げられます。ビタミンD は睡眠に関わるホルモンであるセロトニンの合成に関与します。そしてメラトニンの分泌を促すために重要なホルモンがセロトニンになります。セロトニンはメラトニンを作るための原料、そしてセロトニンを合成するために必要なのがビタミンDともう一つ重要なのがトリプトファンです。トリプトファンは体内では生成されないので、食べ物から取り入れます。

日の光を浴びると網膜が受ける光の量が松果体に作用し、メラトニンの分泌を抑制し、ビタミンDが生成され脳内でのセロトニンの合成が活発になります。そして就寝に向けてメラトニンの分泌が増えることでより良い睡眠をもたらします。

メラトニン

 

トリプトファンは大豆製品や乳製品、穀類から多くを摂取でき、肝臓や腎臓で分解されエネルギー源として利用されます。トリプトファンが血液から脳内に運ばれると、ビタミンB6・ナイアシン等と結合し、神経伝達物質のひとつセロトニンが生成されます。

体内リズム

コルチゾール

   
 良質な睡眠のためには、夜しっかりとメラトニンが分泌される必要があります。体内リズムに関わるホルモンとしてメラトニンともう一つコルチゾールがあります。コルチゾールは朝に向けて上昇8時にピークを迎え、夜コルチゾールの分泌の低下によりメラトニンの分泌が促され睡眠の態勢に入るという基本的な体内リズムがあります。

コルチゾールは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスにより急激に分泌が増えることから、ストレスホルモンと呼ばれています。過度なストレスになどによりコルチゾールの分泌が慢性的に増えることで不眠症やうつ病、高血圧、心臓病、脳卒中などの生活習慣病のリスクも高まります。

何らかのストレスがかかるとアドレナリンを分泌し、緊張、動悸、血圧の上昇などが現れます。脳や筋肉に糖を送り、コルチゾールを分泌しストレスに対抗する準備をします。結果過度のストレスはコルチゾールを過剰に分泌させることでメラトニンの分泌を抑制し、その結果睡眠を妨げる要因になります。

良質な睡眠のためにできることはする

日光に当たることの大切さ

 日中活動するためにコルチゾール分泌は必須ですが、就寝に向け減少させる必要があります。しかし夜更かしやLEDの光を体はストレスと感じコルチゾール分泌を促します。そうするとメラトニンを抑制します結果、体内リズムが崩れ睡眠に悪影響を及ぼします。その体内リズムの乱れを整えるのが朝起床してから3時間以内に当たる日光です。日光は体内のリズムを整え睡眠のサイクルをリセットします。

入浴と食事

 食事の時間は、消化が睡眠の妨げにならないよう最低でも寝る2時間前にすませましょう。そして入浴は熱いお風呂に入ると交感神経が刺激され眠りずらくなります。ぬるめのお湯に15~20分でしっかり肩までつかり全身を温めましょう。またお全身浴には温熱作用、静水圧作用、浮力作用の3つのリラックス効果があります。

遮光

 良い睡眠環境を作るためにしっかり遮光する必要があります。街灯の明かりや車のヘッドライト、スマホのLEDライトのような僅かな光も睡眠の妨げになるようです。ただ部屋を完全に遮光してしまうと、朝日を体が感知できないと朝目覚める態勢に入れません。アイマスクの活用やタイマー照明など環境に応じたセッティングが望ましいでしょう。

就寝前の換気

 酸素濃度が睡眠の質に深く関係しているようです。健康的に良いとされる二酸化炭素濃度は1000ppm程度で、締め切った換気設備のない部屋では二酸化炭素濃度は1150ppmになり、一晩寝た場合では明け方の二酸化炭素濃度は4000ppmまで上がるそうです。室外の二酸化炭素濃度は350~450ppmなので睡眠前に部屋の空気を入れ替えるだけでも酸素濃度が上がり睡眠の質は向上すると考えられます。

 

睡眠はあらゆる健康面、日中のパフォーマンスなどすべてに関わることなので、常日頃から取り組むべき課題です。

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